プリウスブレーキ制御ソフト改変についての考察 (訂正)

プリウスのブレーキ制御に関しては次々に新しい事実が分かるので過去の考察を訂正していかないといけない。

【いろいろな事実を総合して分かったこと(訂正を含む)】

  • この問題はたぶんソフトウェアのデグレード(変更によって今まで動いていたところが動かなくなるミス)ではない。
  • この問題は複雑化していたブレーキシステムの軽量化、低コスト化により、ブレーキシステムのハード・ソフトが変わった際に Validation(妥当性確認)の 漏れが生じたことからきている。
  • 漏れがあったからといってトヨタアドヴィックスがV&V(Validation & Verification)を十分に行っていなかった訳ではなく普通の企業に比べればよっぽど念入りにやっていた。(と予想する。)
  • 軽量化やコストダウンの検討は悪ではなくエンジニアがトライすべきことだから、その流れは間違っていない。(だからデグレードではない。もとに戻してしまうと重量が重くなり、コストアップしてしまう。それは商品の価値を下げ、結果的に顧客満足度も下げてしまう)
  • 結果的にソフトウェアの改変で問題を解決しようとしたがソフトウェア技術者のミスともいいきれない。(Validation のステージにおいてすべてのシチュエーションを想定して確認することは不可能)
  • この問題は設計の工程で見つけられた可能性は低く、ユーザークレーム→原因分析→是正→水平展開という CAPA(Corrective Action & Preventive Action:是正処置及び予防措置)で改善する種別のものである。
  • 結果的に今回の問題は受容可能なリスクと判断される。(実質的な安全性の確保とユーザーの気持ち悪さ、不安とは異なる)
  • 上記のことから、今回の問題はエンジニアの過失はとは言い難い。


今回の記事は長いので、本家のブログの記事を見て欲しい。