2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ソフトウェアの特性を考慮せず事故が起きた事例

【1985年〜1987年に起こった放射線治療器 Therac 25(セラック25)の事故】Therac-25は高エネルギーの透過性放射線を患者の身体の奥に照射し、周囲の組織を傷つけることなくがん細胞を破壊する装置で、巨大なアームの照射口からは、電子線とX線の二種類の放…

アメリカ人に責められたらサムライになれ

20年以上前アメリカ人の監査官とソフトウェア品質についてやり合ったことがある。自分の作ったソフトウェアに対していろいろ質問され、こんな性格だから自信持ってキッチリ答えたつもりだった。だけど、判定はクロだった。そのときはなぜダメなのかまったく…

プリウスブレーキ制御ソフト改変についての考察 (訂正)

プリウスのブレーキ制御に関しては次々に新しい事実が分かるので過去の考察を訂正していかないといけない。【いろいろな事実を総合して分かったこと(訂正を含む)】 この問題はたぶんソフトウェアのデグレード(変更によって今まで動いていたところが動かな…

プリウスブレーキ制御ソフト改変についての考察 (まとめ)

トヨタは社長と副社長が 2月9日の記者会見で、今回の問題について客観的なデータをもとに論理的に発生する現象及び原因を説明していた。新聞やテレビの記者はエンジニアではないから、この技術的な説明の部分を全部すっ飛ばしてしまう。ラジオで聞いた制動力…

プリウスブレーキ制御ソフト改変についての考察 (その後)

2月7日、フジテレビの夜『情報エンタメLIVEジャーナる!』で、プリウスのブレーキ問題を再現していた。テレビはすごい。現象を再現できるユーザーを捜し出したのだ。場所は完全な雪道でスピードは30km/h くらいからゆっくり減速している状況で、カーブなどに…

検証と妥当性確認は異なる

EDN Japanという雑誌に『コンプライアンステストだけでは不十分!半導体IPの検証手法』という記事が載っていた。近年、電気回路は SoC(System On Chip) 、FPGA(Field Programmable Gate Array)上にIP(Intellectual Property) と呼ばれる電子部品を組み合わせ…

プリウスブレーキ制御ソフト改変についての考察 (その3)

プリウスのブレーキ制御のソフト改変についての状況が徐々にわかってきた。エンジニアはエンジニアらしく現象を客観的にロジカルに考えて、憶測の部分は憶測として断りを入れながら語っていきたい。まず、問題を分析する前に、ABS(アンチロック・ブレーキ・…

プリウスブレーキ制御ソフト改変についての考察(つづき)

『プリウスブレーキ制御ソフト改変についての考察』の記事で、情報が確定していないのでトヨタを養護するようなことを書いたら、その後、記者会見があったらしく次のようなニュースが流れた。【中日新聞:『新型プリウス無料改修 先月下旬まで販売分』より引…

プリウスブレーキ制御ソフト改変についての考察

トヨタ製自動車の品質問題が話題になっている。ブレーキペダルの件はメカ、部品、材質の問題だが、ブレーキ制御の問題はソフトウェアが絡んでいると思うので、この問題をどうとらえるべきかについて自分の考えを書こうと思う。【実際のところどうなっている…